|
地に足がついている。
金沢はレトロな喫茶店でいい店もあるけれど、近年ボコボコと増えている「カフェのような店」で、全国区にお薦めできるところは、少ない。
カフェのような店。カフェのうわずみだけをさッとすくって、コラボレイトというきこえのいい言葉のもとで、何もかも半端でしかない店。
金沢きっての花街、東山。観光客とともに人が路地を堂々と歩ける。
私の大好きな東京では、歩くことは当たり前のことだけど、地方では堂々と人が道を歩ける場所が極端に少ない。私は車社会が嫌い。人が歩かなくなったら街は死ぬ。
歩いてふらりと行けるのがカフェであってほしい。
100年前の町家に、選び抜かれたアンティークの家具。サイフォンコーヒー。
「長沢ねえさん!」と叫びたくなるような、賢治好きにうれしい本のセレクト。
人の自然な生活に沿った営業時間。何時でも食べられるごはん。おかみさんのプロの接客。
観光客も地元民も、座敷やカウンターをセレクトしてくつろげる。
父と行ける。
カフェとして当たり前であってほしいことをすべて満たした店。
ゆるがない世界観と美意識。地に足がついている。
すべてが洗練されているわけではない。
観光客のおばさんでも入りやすいような、古都の民芸っぽさも確かにある。
ほとんどのカフェがここ2〜3年のうちにオープンして、次々と消えていく。
でもゴーシュの灯りは消えないと思う。
これに勝ることがあるだろうか?
|